大阪フィルハーモニー交響楽団:第505回定期演奏会

2017年2月18日(土)

「大阪フィルハーモニー交響楽団:第505回定期演奏会」

@フェスティバルホール

みちよしさんは、3月いっぱいで首席指揮者を辞められるので今回の定期演奏会がみちよしさんが首席指揮者として最後の定期演奏会になります。

プログラムはみちよしさんが最も大好きなショスタコーヴィチで曲は11番「1905年」と12番「1917年」。

11番は、ロマノフ王朝時代に集まった無抵抗の労働者階級のデモ隊の人達に対して軍隊が発砲して大量の死者が出た「血の日曜日事件」

この事件が後のロシア革命へと繋がったらしいです。

12番は、「二月革命」でロマノフ王朝が滅びた後、レーニンを中心としたボリシェヴィキがロシアを制圧した「十月革命」を題材にした曲らしいです。

振り返ると、狂った時代とも感じられるソビエトの歴史の流れの2曲。

このプログラムは、2/22の創立70周年東京定期演奏会のプログラムでも有ります。

曲の背景を考えるだけでも聴く方もかなりの覚悟が必要な曲で、みちよしさんの気迫が感じられるなぁ〜

オケのホームページの定期演奏会のページ&定期演奏会のパンフレットに掲載されたみちよしさんの挨拶文。

◆マエストロ井上道義より、今回の公演に寄せて◆

井上と大阪フィルとの契約は、2017年3月31日で終えます。
初めの一年の大事な時に、癌の影響でやるべき事が出来なかったのは心残りですが、この間私が刻もうとしたことがあります。
大阪フィルを朝比奈ブルックナーのトラウマから解放し、他の三団体と比して、大阪という人懐こい個性ある街にふさわしい大オーケストラとして、明るいラテン系音楽を多く演奏していくこと。
TV放映やCD録音を出来るだけ行う事。
大阪圏にあるホールの個性に似合った作品をそれぞれ演奏することです。

フェスティバルホールにはショスタコが似合います。
1905年日露戦争で帝政ロシア艦隊が打ち負かされ弱体化したとき「ロシア第一革命」が起こりました。
それを宏大な音楽的なシンフォニーとしたのが交響曲第11番。
第12番は、今から100年前「ロシア第二革命」と呼ばれたロシア革命。
ショスタコーヴィッチは若いときロシア革命を体感し、シンフォニーにしたのです。

宣伝用に利用されていた交響曲第5番「カクメイ」と違い、作曲者自らが名づけました。今、多くのロシア人が「大きな、しかし間違った方向へ走った革命」と呼ぶ歴史の変わり目の作品を二つ並べることで、この素晴らしい作曲家の心の世界が皆さんの脳裏に刻まれると思います。
この演奏会にかける想いは誰にも負けない。
お楽しみあれ。

前置きが長くなってしまったわぁ(ーー;)

定期演奏会1日目は、うえたんさん応援の為に京響の定期演奏会へ行ったので2日目の鑑賞になりました。

毎度恒例のパンフ&チラシの色チェック。

こ、これはグレーかしらシルバーかしら????

プログラム的には真っ赤が良かったなぁ〜

うえたんさんの分も応援がんがるどー!!!!!

と、妙な気合い入れての鑑賞となりました(笑)エイエイ>┗|´Д`*||*´Д`|┛<オー!!

11番、12番共に楽章間での区切りの休憩無しでアタッカで一気に演奏!!

みちよしさん、70歳の筈なのにジャンプしたり暴れまわって曲の雰囲気倍増。

狂った時代の真っ只中に放り込まれて翻弄されて、演奏が終わった時には意識が持っていかれて頭の中真っ白でボーゼン状態になりました( ゚д゚)

この部分の演奏がどうとかそういう領域を超えて(こういう曲は冷静に完ぺきに綺麗に演奏するよりも感情が前に出て人間の生々しい感じを出した方が良いと思うし)、勢いに圧倒されたです。

「血の日曜日事件」


を題材にした11番はこれからのソビエト時代の序章のように感じました。

この曲の終わりの盛り上がり方はドラマの前編の「続く」みたいな印象を受けました。

歪んだ時代の序章のような...

軍隊の虐殺シーンかな?と云う部分はCDで予習してたよりも迫力有って怖かったなぁ...

亡くなった人々への鎮魂と思われる宗教音楽っぽいのがこの曲では形を変えてずっと流れてたのだけど...

西洋音楽独身の祈りを捧げる清らかな死を肯定的に受け入れてる天国へ行ける音楽で無くて、見渡す限り多数の惨殺されて亡くなられた遺体が有って、生きてる人が誰もいないような不気味な感じの鎮魂の旋律だった印象を受けました。

これからの狂った時代を現していたのも有ったのかなぁ〜

第4楽章の中盤の盛り上がった所でピタっと静まり返って大島さんのイングリッシュホルンの演奏がこの曲で唯一と言っても良いくらい綺麗な旋律なんだけど、不気味で怖かったのよね...(大島さん大好きなのでCDで聴いてた時は萌えてたけど)

この箇所が個人的には1番印象に残りました(´;ω;`)ウッ…

休憩を挟んで今度は「血の日曜日事件」のあと、「二月革命」でロマノフ王朝が崩壊して、その後の議会政治を打倒して国内を掌握したレーニンの

「十月革命」


がテーマの12番。

ひたすらガンガンと激しかった...

狂ってて怖いとしか...

レーニンが中心となったこの革命で社会主国家のソビエトとなったのよね...

少し前は東西冷戦の真っ只中だったけど、このプログラムが演奏出来るようになって、この曲を今は少し客観的に感じれるようになったって事は世の中の情勢が少し変わったのかなぁ〜ってふと感じました。

大フィルの今回の定期で私のようにロシア革命の事を調べた人が他にも居るのでは??と、思います。

大フィルの東京公演は、某企業の招待客が多かったらしいけど、完売でネット上の評判では聴いた人はこのみちよしさんの渾身のプログラムの世界観に感じる所が有ったみたいなので成功したのかな??と思います。

普段聴いてる地元のオケが東京の人が聴いてどう思ったのかはチョット気になってました(ーー;)

ヤッパリ朝比奈さん時代のイメージがついて回るのはこのオケの宿命だとは思うけど、伝統を受け継ぎつつも前向きに上をめざして欲しいなぁ〜

みちよしさん首席指揮者になって、色々キツイこと発言したかな??とは思うケド...(汗)

私的に、どうしても大阪の中だけだと伝統でマッタリ雰囲気が空気的に感じられるからその部分を変えたかったのかな??と思います。

団員さんは嫌かも?だけど、みちよしさんには辞められても、喝を入れにこれからも大フィルに来て欲しいです(笑)

◆みちよしさんのBlog◆

◆大フィルのTwitter◆

◆オーボエトップ浅川さん家のBlog◆
↓小小梅さんのレポ。ふんわりパーマヘアにO島さんの横顔写ってます(*´ェ`*)ポッ

◆プログラム◆

<出演>
指揮:井上道義

<曲目>
ショスタコーヴィチ/交響曲第11番 ト短調 「1905年」作品103

ショスタコーヴィチ/交響曲第12番 ニ短調 「1917年」作品112





































***************
◆自分用φ(..)メモメモ◆
誰が演奏するのか予想できない管楽器パートのトップ奏者

[前半の11番]
フルート:野津おやびん
オーボエ:大森さん
クラリネット:ブルックスさん
トランペット:篠﨑さん
[後半の12番]

フルート:野津おやびん
オーボエ:浅川さん
クラリネット:金井さん
トランペット:秋月さん

実は、今回は予想当たりました。
東京公演有るから年功序列で若い人が前半で、年上の人が後半かな?と(笑)

オケを集団で捉える人が大半なので、大フィルの前半と後半のメンバーチェンジのこの変化に気が付いた人はどれだけ居るのかな?と、何時も密かに思ってます。

私のように、曲とその人の個性を考えてメンバー予想する人は間違いなく希少だとは思いますが(笑)

しかし、うえたんさん移籍で予想通りおやびんはハードな2曲を吹ききったなぁ〜
流石、頼れるおやびんだ!!

そして、予想が外れたのがピッコロ職人の井上さんが2番でフルートのみで3番のピッコロは東京のオケのエキストラの人にお任せした事でした。

フルートセクション暫く自転車操業っぽいけど、良い人が入ってくれると良いなぁ〜

うえたんさんの代わりの人が来るのは寂しいけど、うえたんさんも安心出来るよねㅠㅠ