2016年12月7日(水)
金子三勇士 ピアノ・リサイタル
@芸術文化センター 神戸女学院小ホール
オケのコンチェルトのソリストの演奏のみしか聴いたことが無くて、CDも何枚か持ってて、一度ちゃんとしたリサイタルの演奏を聴いてみたいなぁ〜って思ってた人でした。
実は、職場から芸文までは電車一本逃したら間に合わない超ギリな場所なので間に合うか不安だったのですが、終業のチャイムと同時にダッシュε≡≡ヘ( ´Д`)ノしたら間に合いました(∩´∀`)∩ワーイ
...そんな訳で凄く聴きたい人しか平日の芸文の演奏会には行けないのよね(ーー;)
東梅田⇒阪急梅田目指して梅田の地下街ダッシュだから...
恥ずかしいし、しんどいし...
オケでのコンチェルトではベートーヴェンや色んな作曲家の演奏をされますが、ハンガリー人とのハーフの方でハンガリー出身の作曲家リストやバルトークを得意としてるイメージが有リます。
1989年生まれだから今年27歳と若い方なんだけど、曲の合間に解説とか色々とお話ししてくれて親しみ易くて感じの良いお兄さんでした。
聴く対象がクラシック好きの濃い人だけで無くて、普通に興味がある人にも聴きやすい演奏会だったと思います。
クラシックって敷居が高いからこういう演奏会が有るのを普通の人が知って色んな人が聞きに来て楽しんで欲しいなぁ〜って感じました。
とか言いつつ1曲目は初心者に向かない??のイキナリのハンガリー作曲家のバルトーク!!
「ミクロコスモス」よりオスティナート。
ガーンっ!!と、インパクトの有る音が印象的な曲でした。
金子さんのピアノってドーン!!ってダイレクトに太くて力強い音がハートに直撃状態の演奏に感じるので、バルトークがよく合います(*´ω`*)
1曲目は強烈な曲だったけど、2曲目と3曲目、4曲目はピアノの王道の親しみの有るショパン。
ピアノをやった事のある人(^o^)丿と、挙手を求めたら殆どの人が手を上げる状態。
日本はピアノを習った経験と同時に&辞めた経験の人が多い国らしいです。
ピアノを習った事のある人なら演奏したかも?のショパンの「幻想即興曲」が演奏されました。
因みに私は、父を病気で亡くして母子家庭だったのでピアノを習うような家庭環境では無くて、観客では超少数派の「習った事の無い人」です(ーー;)
その反動で今、クラシック音楽をよく聴いてるのかな??
3曲目は、夜になると今みたいに明かりが有る時代では無いロウソクとかの灯りが頼りの時代の夜の暗さに神秘的なモノを感じるイメージの夜想曲の「遺作」が演奏されました。
4曲目は、お馴染み曲「革命のエチュード」この曲を聴くとどうしても小泉今日子のドラマ「少女に何が起こったのか」を思い出してしまう...
ショパンは故郷のポーランドが戦争で乱れてしまい故郷を思いつつ亡くなったけど、そんな状況になってる故郷に対するショパン自身の思いのような気がするとおっしゃってました。
金子さんのピアノは独特なアクセントを付けたり個性がハッキリとしてるので、ショパン固有のアンニュイな雰囲気で無くて男性らしいドッシリと暖かな感じがしました。
ショパンなのにバルトークの雰囲気がすると云うのかな??
前半終了の5曲目はコレも王道のベートーヴェン。
曲も王道の「月光」。
「月光」は後からつけられた名前で、「月光」と呼ばれてる為かそのようなイメージで演奏するのが定着してるので、楽譜を見つめ直してベートーヴェンはこう表現したかったのでは?と、「月光」では無くて楽譜からのご自身の解釈で演奏。
普段聴いている「月光」より、硬質でベートーヴェン独特の雰囲気を感じました。
後半は金子さんと云えばのオールリストプログラム。
リストと云えばモテモテのアイドルみたいな僅かな間(確か2年半とおっしゃってた記憶が...)のイメージが強いけど、長生きされて宗教とか学問に通じて各地を周り教えてたりしてて、そんなリストの事を知ってもらいたいと話されました。
1曲目は有名曲と前置きされて演奏されたのは「ラ・カンパネラ」
この曲、何度も聴いてるけど
「凄い!!!!Σ(゚Д゚)」
と、思ったの初めてです!!!
金子さん独特のガーン!!って来る音が響いてきて圧倒された。
リストになると本領発揮でした。
次は有名曲だけど反対のイメージの「愛の夢」こちらは甘くてウットリ(人´∀`).☆.。.:*・゚
最後がこの演奏会のメイン
「ピアノソナタ ロ短調」
この曲、大好きだけど生で聴くのは初めてでプログラムに入れてくれて金子さん有難うございますm(_ _)mの気持ちです。
普通、ピアノソナタって楽章の区切りが有るけど、1曲のみでとんでもなく長いです。
金子さんも言ってたけど、ひとつの曲に色んな旋律が有って、人生とか世界を表してる感じがします。
晩年宗教とかに関心を持ったリストの世界観が伝わる気がします。
ポーン、ポーンと始まり、中盤ドラマチックに盛り上がり、最後に又沈黙を伴って静かに終わりました。
マーラー9番やブルックナー9番を聴いたあとのような気持ちになり、ホール全体が沈黙に包まれました。
生で聴くと迫力で世界観の有る曲でした。
金子さんの思い入れも伝わる演奏だったなぁ〜
この曲のアンコールはやりにくいけど、コレならと演奏されたのはバッハの「平均律第1巻第1番プレリュード」
バッハは原点だなぁ〜って聴きながら再認識。
2曲目は「今度は本当の月の光です(笑)」
と、ドビュッシーの「月の光」で演奏会は終わりました。
金子さんは聴く人の事を考えて、楽しいお話を混ぜながら誰でも聴ける親しみ易い曲と、自分のやりたい曲とを演奏されて「自分」もちゃんと伝えて、感じの良い素敵な人だなぁって思いました。
冬の芸文へ行くと毎度恒例でこの木のイルミネーションを撮影してしまう(笑)
◆金子さんのInstagram◆
◆プログラム◆
バルトーク:「ミクロコスモス」よりオスティナート
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調作品66
ショパン:夜想曲第20番「遺作」 嬰ハ短調
ショパン:革命のエチュード ハ短調練習曲 作品10-12
ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番「月光」嬰ハ短調 作品27-2
リスト:ラ・カンパネラ 嬰ト短調
リスト:愛の夢第3番 変イ長調
リスト:ピアノソナタ ロ短調
◆アンコール◆
バッハ:平均律第1巻第1番プレリュード
ドビュッシー:月の光
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